行政書士資格受験生あいちゃんの学習日誌:配偶者居住権(長期)の新設
さてあいちゃん、今日は
ちょっと難しい改正民法について説明していきますね。
今回40年ぶりの大幅民法改正だったんだけど、今から説明する法律は遺言書の要件緩和以上に大きな目玉の一つでしょう。
それではいきます。
『配偶者居住権(長期)』(令和2年7月14日施行)について。
準備OK!どんとこいです!
それではあいちゃん、下の図の家族で遺産分割が行われることになったとします。
この遺族のなかで
相続権がある人は誰ですか?
相続権があるのは今の奥さんのノリカさんと、子供2人ですね。残念ながら前妻ヨシエさんには相続権はありません。
そうですね。それではそれぞれの
法定相続配分はどうなりますか?
ノリカさんが2分の1で、子供たちがそれぞれ4分の1づつです!
その通りです。よく勉強されてますね!
それでは今回亡くなったご主人ひろしさんの遺産を確認してみます。
家と土地の評価額が1,000万円、
現金が1,000万円、
合計2,000万円です。
それではあいちゃん、この遺産を法定相続分通りに分けるとすると、一般的にどんな形になるだろう?
法定相続通りに考えると普通こうですね。
はい。一般的にこういう形で分割が考えられますね。
しかしここで、ひろしさんの
子供2人からこんな苦情がでました。
太郎さんとリサさんが言う通り、
このままノリカさんが亡くなったあとは、先祖代々守られてきた
家と土地はノリカさんの兄弟へ相続されることになってしまいます。
うわぁこれはひどい。。。
何か良い解決策は無いんですか?
はい、そこで今回の民法改正
『配偶者居住権の新設』です。
これまで家や土地といった不動産は所有権のみが設定されていたのですが、新たに
『配偶者居住権』が設定できるようになったのです。
つまり
遺産の家(土地含む)を、
太郎さんは”自分の持ち物である”という『所有権』を持ち、
ノリカさんは”この家に住んでも良い”という『配偶者居住権』を持つことが出来るようになった訳です。
ここで注意してほしいのは、
配偶者居住権も相続財産ですので
金額換算されるということです。その詳しい計算方法はここでは省きますね。
はい、それではこの配偶者居住権を考慮した場合の遺産配分を確認しましょう。
わぁ、なんかいい感じにまとまりましたね!
以上が改正民法の大きな目玉のひとつ、
『配偶者居住権(長期)』のおおまかな説明でした。細かい問題点として
「配偶者居住権を譲渡できるか」等いろいろとあるのですが、今回は大まかな制度の流れだけに留めておきます。
次回は
『配偶者居住権(短期)』についてお話しましょう。
あいちゃんもう少し頑張ろうね!
OK!全然余裕っしょ!
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